今回は私とおなじように鑑定をされている方、また師範代講座の皆様には、腹落ちしてもらえる話だと思う。面白い命式と聞いたとき、「珍しい、変わったもの」をまず連想するはずだ。そして何かワクワクしないだろうか。今回は面白い命式が、何故面白いのかという解体新書といこうじゃないか。
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■面白い命式
因みに勉強当初私は自分の命式変わってるなあと、思っていたけれど、それは命式配合の何となくのイメージでそう考えていた。実際こんな感じで、面白い命式を連想する人は多いはずだ。因みに、何となくのイメージであっても「自分の命式何か面白い」と思えれば、命式のことが知りたい、読めるようになりたいという気持ちが膨らむはずだ。ただ、現実問題鑑定する側に回ると、面白い命式と定義するには命式構造から考えることになる。イメージを捨ててソロバン的思考になってしまう。そのため、ちょっと難しい内容をお話することになる。つまり、面白い命式をご紹介するのに、内容は面白くないと!なんと。なんと。それはいとおかし。
面白い命式①
<命式の食傷が官星をボコるが食傷が喜神となる命式>
①を見て一気に溜飲が下がった人には申し訳ない。
でもオーディエンスを意識してバッチリ書くから勘弁してほしい。
四柱推命を学んでいると、官星はお仕事の星であり、社会的な地位と関係することを習う。つまり、社会的な地位と関係する官星が、命式の食傷に剋されているのは良くないと考えることができる。そのため、命式の喜神を食傷、財星、官星と便宜上算出した場合でも、実際は社会的な地位と関係する官星を剋す食傷を喜神としないことがある。
上記のことは実は教科書的な解釈であって、命式の食傷が官星を剋していても、実際問題必ずしも、食傷が悪者にはならない。「私の持ち味は官星ではなく、食傷だ!」と、パワーを生かして龍書文を打ち負かしたビスケットオリバの声が聞こえてきそうだ。スマートな奴だぜ。と、良く分からんことは置いといて、命式の食傷が官星を剋せば、食傷の効用を考える必要がある。
つまり、官星の効用を捨てて、食傷に全振りした場合、自らの発想力や頭脳で勝負にでて成果を納めることがある。そうなると、大運の食傷運で仕事運がいいです的なことが起こる。四柱推命の基本リテラシーに準じない面白い命式といえる。
面白い命式②
<めちゃくちゃ剋されながらも、剋すものが喜神となる命式>
やばい、やばすぎるスタンドじゃと、DIO様のスタンドの正体を知ったジョセフよろしく、はげしく剋されながらそれが喜神となる命式が存在する。きっとドM1グランプリに輝くが、優秀な命式であることが多い。
年、月、日に官星が並んで、不利に日主を剋せば、通常従殺格でも、身弱の内格としたほうが良い場合がある。それは日主が不利に剋されることは、やはり日主にとって負担になるわけで、官星をよい五行にとれなかったりする。ところがどっこい、官星が日主を不利に剋しても、官星が喜神として働く命式がある。何か砂漠から芽を出す花を想像してしまう。
このケースの場合、天干は日主に悪さをすることが考えられるが、地支のほうで日主が手綱を握っている。官星に日主が支配されているのか、日主が官星を支配しているのか、見極めが大切だ。剋されながらも、日主を剋すものが喜神であるケースは、逆説的で面白い。そのような場合は、日主が官星という星を有効に扱えることが特徴となる。特に偏官は鬼に例えられるが、日主が鬼と知恵比べをして勝つような図式といえるだろう。
因みに豆まきでは鬼は外、福は内という具合だが、鬼は人の心の内側に潜んでいるのかもしれない。←独り言。
面白い命式③
<大過になりながらも丙が喜神の命式>
丙は基本燃えたい。煙は高いところに登りたいし、魚は疲れても泳いでいたい。命式で丙がごうごうと燃えて大過であると、これを良くないとみなしがちである。普通に考えればその通りだ。
年月日時
壬癸丙庚
寅卯午寅
因みにこれは有名コメディアンの命式だが、丙が非常につよい。年、月の官星も時の財星も弱い。では、火の五行は忌むものかといえば違っている。丙は水に剋されたくない性質なのだ。
ただし、格局的には従旺格を採用し辛い。矛盾を含んだ命式だ。実は丙という十干に置いては、火が力を持つことで大過になりながらも、効用を果たす場合がある。この命式の方は火の大運で成果を納めている。大運によって命式の壬や癸、庚が強くなっても日主丙をコントロールすることができない。当然水や金の大運は運が下がる。少々の大過と水の影響を天秤にかけると、大過であっても、ゴーイングマイウェイで乗り切ることがある。年柱の壬は丙と相冲で、丙が制圧できるが、月柱の癸の存在はちょっと嫌なのだ。
「我は我のためだけに燃えている!」と七つの大罪エスカノールよろしく的な声が聞こえてきそうだ。フィジカル強すぎ。でも、かといって、命式が全部火の五行なんて、極端な場合は火は喜神にならないからね。
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■終わりに
上記のような面白い命式は人生の中でガッツリした効用を生み出しやすい。命式構造は本当に面白い。