魁罡(かいごう)聞き慣れたネーミングだけど、幸運と不幸をもたらす神殺だとされてきた。魁罡となる干支の組み合わせは非常に力があって、良き面も悪き面も含まれるとされている。今回は魁罡について説明したい。
▼あなたの命式読み解きます▼
■魁罡(かいごう)
魁罡となる干支の組み合わせは4つである。壬辰庚戌、庚辰、戊戌。かならず亦稱天氣(辰)と河魁(戌)の組み合わせになっている。魁罡があれば、「負けず嫌い、勝ち気、運勢の勢いが激しい」とされるのだ。そのため、星の個性が有利に働けば、仕事や実生活を送るうえで有利になる。逆になれば攻撃的で対人面で不利となる。(こうした神殺の吉凶は、着度百科によれば大昔の中国の神話が元になっているようだ。)
魁罡を当てはめて一番分かりやすいのが日柱である。日柱とは、命式の主、ご本人様と関係する柱だからだ。日柱に魁罡(壬辰、庚戌、庚辰、戊戌のどれか)が入れば、まず、気質が強めである。性格が強いという特徴を持つ。加えて、日柱が魁罡で、年柱や月柱、時柱に日柱と同じ魁罡が入れば、決断力があり、賢く、正義感が備わった人物となるとされている。男女問わず、リーダーシップを発揮しやすく、勇敢で、譲れない性質を持つとされるのだ。
要するに、魁罡の特徴は富や名誉と関わりやすくて、他者に妥協的ではないとされている。
だが、魁罡については誤解が非常に多いと思う。壬は辰と組めば、納音は長流水で、戊は戌と組めば平地木だから、気質は社交的で、干支だけでいえば忠実、心は親切というタイプになる。納音とは、干支が内包した3つ目の性質だ。因みに私自身が接した人で、魁罡だからといって攻撃的というタイプにはあまり合っていない。
つまり根も葉もない話になるが、魁罡だけでなく命式八字を読まねば、とんでもない偏った人物判断になってしまう。日柱が魁罡だからという理由だけで、良し悪しは言えない。将棋の羽生善治さんも、日柱が庚戌で魁罡だが、実生活で攻撃性を発揮する訳ではないだろう。誠実か不誠実か、権威思考なのか、八字をみなければ何ともいえない。
魁罡のみからいえる事は、気質に強さがあるというくらいか。ご自身の気質と周囲の兼ね合いを見ながら歩んでゆかれるとよいだろう。
魁罡の誕生における、説を少し見たことがあるが、ちょいと信じがたくてこの度は書かないことにする。一番信じられなかったのは、4柱のどこかに魁罡があれば、「一生牛肉を食べれない」とのこと、なんでやねん!!と普通に関西的ツッコミをしたけど。
牛肉云々の理由としては、庚辰、庚戌は納音が白蝋金、簪金であるため、栄養価の高い赤肉を食べると、気性が強くなるという理由だ。
■魁罡が2つ並ぶと?
ただし、魁罡の組み合わせはすべて陽の十干である。そしてそれぞれの干支は一つの柱で見て強さがある。すると、魁罡となる干支が命式に2つ並べば象意になる。例えば、日柱と時柱に魁罡が揃うと、行動的で、活発さが生まれる。「おしとやか」というタイプではあまりない。
例えば日柱壬辰が、時柱庚辰と組み合わさることによって壬が勢いづく。日柱が庚辰で時柱が壬辰でも一緒で、人物に強さ、勢いやパワーがある。=恐い人というわけではないよ。
もし、魁罡が日柱と月柱にある場合でも、時柱との組み合わさのような効用はある。もし、同一の魁罡(庚辰と庚辰など)が、日柱と年柱と離れた場所に存在すれば、基本的にはやはりご本人にパワーがあると考える。
魁罡に限らないけど、基本的につよい干支同士が柱で並ぶことは、良い面、良くない面がでてくる。ご本人に勢いがあるため、自分を節制しなければ、対人面の当たりの強さに繋がりやすいためだ。
また、庚辰と庚戌、壬辰と戊戌など、地支が辰と戌となる魁罡同士が命式に並ぶと「墓中開空」となるため、吉の場合がある。
■終わりに
魁罡って、なんか強そうだよね。