小さなころは画家を目指していた竈ちとせです。結局高校生くらいになると、自分の力量が分かって別の道にすすんだんだけどね。今自分の命式を見ると、描くよりも書くほうに適している。大して文書力があるわけではないけど、絵画よりは文。みなさまはどうだろう。今回は芸術家の命式というテーマで書いてみたい。また、命式によって「どんな分野の芸術方面に適性があるか」にも触れようと思う。
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■命式と芸術家
巷では芸術家の条件に偏印、食傷、十二運病、沐浴という部分が関係しているのではないかというご指摘がある。八字をトータルで解説していきたい。芸術性を有するかどうかは、干支の関係もかなりヒントとして重宝する。基本ベースは干支、通変星の効用をみていくことになる。
以下は芸術家サルバドール・ダリ氏の命式である。ピーンと伸びたヒゲがトレードマークの人。
時日月年
○乙己甲
○巳巳辰
命式は木の五行と、火の五行が組み合わせになっており、芸術分野では「色」と関係しやすい。日支の傷官が、表現技術の星で、画家である。木の五行は”紙“ですよ。木と火の五行の芸術性は感覚芸術になりやすく、数学的に色々配置を巡らせて作品を作るといった感じにならない。比べて、パブロ・ピカソのように水の五行と官星が主役になれば、数学的な作品に通じることがある。
基本木の五行と火の五行組み合わせは芸術的な方面と関係しやすい。
こうした配合↓
時日月年
○甲○丙
○午○○
食傷が効用を果たす組み合わせだ。
もし
時日月年
戊甲○戊
○午○辰
このように土の五行が多くなれば、「建築」方面に適性がある。建築芸術方面である。陶芸なんかの方向も良いだろう。
因みにサグラダファミリアを手掛けたアントニ・ガウディ氏のような芸術家は、命式の印綬が効用を果たすことになる。印綬は“設計“の要素を持つ通変星である。人にもよるが、印星が命式でよい作用をしていれば、人物が几帳面で、仕事が綺麗という特徴がある。だから、ピラミッドを設計した人物なども印星が効用を果たしていたのではないかと想像する。
以下の命式は作家川端康成氏の命式。いわずもがな日本の大文豪で、伊豆の踊り子や雪国の作者でだ。日本語が非常に美しい。私自身は三島由紀夫氏、谷崎潤一郎氏など多くの文豪がいらっしゃるなか、川端康成氏の文体が一番好きだ。
時日月年
○癸庚己
○丑午亥
日主癸で、水の五行である。庚に生じられ、庚はペンを意味する。木の五行と火の五行が色と関係しやすいことに大して、水の五行はどちからといえば色彩よりも、書道とか習字方面である。因みに文豪は日主が水の五行の人が結構いる。(村上春樹氏、宮沢賢治氏など)
例えば↓の組み合わせが、そうした方面への適性がある。
時日月年
乙癸○庚
○亥○○
例えば文書を書くにしても以下の私の命式↓
木の五行と水の五行がしめており、色彩に通じにくい。絵画では色を塗るのが本当にだめだった。
時日月年
乙甲甲癸
亥申子亥
配合的には、適性があってもちょっとどうかなという具合だ。なにより表現力が足りない。
芸術家の命式配合の特徴としては、印、食傷、そして用途となる十干、十二支の配置が大切になる。通変星や諸々を組み合わせ抜きにしては語れない。例えば日主が庚や辛で、効用を果たせば「ジュエリーデザイン」などの方面で活躍できる。日主が丙、丁で、木の五行が命式に存在して効用を果たせば、ネット関係の芸術(クリエイター)に通じることがある。
ちなみに芸術家は芸術家であっても、実際には商売気質がつよい人物もいる。芸術的な能力というよりも、それ以外のファクターで儲けた人物もいるから、芸術家だからといって一概に芸術家的な命式配合ではない場合がある。能力と収入が必ず一致するわけではないのがこの世の不条理。
以下は画家山下清氏の命式である。
時日月年
○丁癸壬
○丑卯戌
丁と癸の相冲があるけれど、こうした相冲の場合、ご本人の感受性が鋭いという特徴が生まれる。また、真面目さを持つ人物像だ。作品の「花火」はとても美しい。芸術家がちょっと変わっている性格というのは、我々一般人の感覚で、当の本人たちは意識していないのかもしれない。命式配合から、設計的というよりは感性を生かして作品を手掛ける人だろう。
以下はサンドアートの保坂俊彦氏の命式。
印星と食傷が効用を果たす例。
時日月年
○辛戊甲
○卯辰寅
印星の設計能力を有しており、表現星の食傷も一緒になって効用を果たしている。命式全体で、土の五行と木の五行が組み合わさって、土木、建築要素がみられる。元々彫刻に携わっていたため、命式配合もそのようになっている。命式の戊をコントロールしている部分が大きな特徴。
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■終わりに
このように芸術家の命式は様々で、効用を果たすものによってどのような方向が適しているかが分かれている。ちなみに私は時々四柱推命にも、どことなく芸術性を感じることがある。