傷官というと、文字のせいか何となく痛々しい響きと孤高といった雰囲気がある。一方で正官のイメージは、曲がったことが嫌いで、清潔な物語の主人公といったところか。さて、この両者は仲が良くないんだ。いい方を変えると傷官が、正官のもっている性質をダメにしてしまうケースがとっても多いからだね。でもね、この両者が逆にプラスの働きをすることもあるのが四柱推命の深いところ。こんかいは傷官と正官について書いてみたい。
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■:傷官と正官の基本的な関係
一応、正官と傷官について簡単に説明しておく。
・正官は、地位や社会出世を成す星で、真面目、温厚、聡明、細心、倹約などを意味して、正官が良く働けば、社会的な出世が期待できる。日干を剋す星だが、日主を鍛えてよい方向へ向かわせる。「第一の貴星」と呼ばれる。
・傷官は、表現力の星で、弁がたち、頭の回転も早いため、自身をマネジメントして出世することに適性がある。日干が生じる星で、傷官を生じれば日主の漏気がひどくなる。そのため「盗気」と呼ばれ凶星とされる。
正官が、社会的に認められることを望むのに対して、傷官は゛じぶんの納得゛が一番大切。なんだか、如何にも合わない感じ。
すでにご存知かとおもうが、傷官の名前のゆらいは正官を傷つけるところからきている。傷官にとって正官は許せない相手なのだ。
通変星はそれぞれをじぶんの「家族」としてみることできる。
・偏財=父親
・印綬=母親
・比劫=兄弟姉妹
・財星=男性からみて妻
・官星=女性からみて夫
そして、じぶんの子供にあたるのが・男性からみたら官星(女性からみたら傷食)
正官は男性にとっては、自身の子供という見方のほかに、出世や仕事、相続をも表す。また、女性にとっては正官は夫。傷官は男性にとってわが子や出世運を、女性にとって夫を剋す(この場合傷つける)星であるため、嫌われるのだ。゛七さつ゛の関係といって通変星にはそれぞれ、最も相性がわるい星があるけれど、正官にとっては傷官がそれにあたる。
正官は、食神、正財、偏財、印綬のように吉星とされている。正官が吉星としてその力を存分に発揮する条件はいくつもあるが、まず命式のなかに一個だけあるのが望ましいという、なかなか気位の高い星だ。吉星は基本的に相生を喜び、凶星から剋される(この場合傷つけられる)ことを好まない。
傷官「そう、私だ」
傷官は凶星として扱われている。具体的に命式において、傷官と正官が同柱の場合は社会のなかで、名声をあげにくいとか、人の扱い方が下手、また女性の場合、結婚での多少の苦労を読みとることができる。
また、月柱下段に正官があり、天星に傷官がある場合は、地にある正官が傷官に一方的に制圧されるために、権利が破られるとみる。生真面目というより神経質で、自惚れが強く現れるために、人間関係に支障がでやすい。
また、傷官、正官がある命式に行運で重ねて傷官が巡ってくるのはよくない。
もちろん、傷官と正官の組み合わせの全てが悪いわけではないからね。実際には、傷官と正官の関係で、発展するケースもある。お互いがプラスに働くこともあるのでみてみよう。
■:傷官と正官がプラスに働く場合
月柱蔵干に゛傷官゛がある命式を傷官格という。傷官格の場合においては、なんと正官を歓迎するものも存在するのだ。その場合の正官は、傷官とともにあれど全然OKだよん。
これだけではちょっと分かりづらいな。具体的にご紹介しよう。
・水木傷官格
日干が水で月支の傷官が木。この場合、日干の水が強いと、旺水をふせぐために、正官の土が必要となるから、傷官と共に正官があってもともにマイナス作用とはならない。
・木火傷官格
日干が木で月支の傷官が火。この場合、日干の木は正官の金の剋を受けて、有用の材となるため正干を喜ぶ。
・金水傷官格
日干が金で月支の傷官が水。日干の金と、水の傷官が出会うと金の持ち味が発揮されない。そのため、火の正官を大いに喜ぶ。
少し難しい説明だったかもしれないが、このような場合の傷官と正官の交わりであると、サラリーマンとしての適性がある。とくに金水傷官格のように、正官を大いに喜ぶ命式となっていれば、サラリーマンとして大成する可能性が高い。
また、先ほど説明した、月柱下段に正官があり、天星に傷官がある場合においても、財星がなく、印綬があればサラリーマンとしての適性は小さいが芸術的な才能に恵まれ、その分野で一流になる可能性がある。
逆に傷官が月柱下段、天星に正官がある場合は、性格にやや難があるものの、上昇志向がつよく、野心家で、権力に立ち向かうパワーがある。そのような側面が良い方に生きると大いに出世する可能性がある。
また、単に正官を傷官が剋している命式において、印綬があれば、傷官を押さえて、正官の福徳を回復させることができる。
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■:おわりに
傷官と正官の基本的な星同士の相性はよくないけれど、組み合わせいかんによっては、発展に繋がる。ほかの七さつの通変星にも、そういった特徴がみうけられることもあるので、四柱推命は奥が深い。