六害(ろくがい)というネーミングが凶作用の塊のような存在を知っているだろうか。六害については、親兄弟とのご縁が薄い、身内や他人とのトラブルなどの説が語られているが実際はどうなのだろう?私自身命式の中に六害があり、実際親との縁は薄いため、四柱推命を勉強するまで六害の俗説的な意味を信じ込んでいた。今回は六害について詳しく説明したい。少し内容が難しいかもしれない。
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■六害とは?
まず、四柱推命には十二支同士がぶつかり合う相冲(そうちゅう)という関係がある。人間関係に例えるとお互いに本気で殴り合うような間柄だが、ぶつかることは悪いだけではない。ぶつかることで関係性が新たな展開を迎えることもある。六害も相冲のようにぶつかる十二支同士の間柄だが、相冲の間柄よりも仲が悪い。六害のほうは人間関係に例えたら完全に敵同士である。
六害になる十二支の組み合わせは
1:午丑
2:子未
3:寅巳
4:亥申
5:卯辰
6:戌酉
この6つである。
何故これらの6つの組み合わせがそんなに仲が悪いのかというと、お互いの関係性と十二支が含む蔵干が関係している。一つづつ説明していく。
<午丑の六害>
まず、午と丑の六害では午は本来火生土で丑を生じるもので一見良さそうだ。そこで午と丑の蔵干に注目してほしい。午の蔵干には丁己が含まれ、丑の蔵干には己癸辛が含まれる。丁と癸は相剋相冲の関係、丁と辛は焼玉(火の五行である丁が宝石辛を焼く)の関係だ。午は丑を生じながら蔵干同士が敵し合う。生じながらぶつかるということは、蔵干同士が敵対する勢いをより強めるという解釈となる。
このような背景から、命式に午丑の六害がある場合定説ではトラブルや問題が生じやすいとされる。
<子未の六害>
未は土の五行で、子を土剋水で一方的に剋している。未の蔵干は己丁乙、子の蔵干は癸であるが、丁と癸は相剋相冲の関係、己と癸は土が水を剋す関係である。これでもかといわんばかりのぶつかり方だ。
子は午未の支合の結びつきを邪魔するため、子と未の間に憎しみが生まれる。そのことから命式に子未があれば定説では災厄と関係するとされる。
<寅巳の六害>
寅と巳は何故そんなに歪みあうのか。2つが属する三合局に秘密がある。寅は寅午戌の夏の三合局の長生である。巳は巳酉丑の秋の三合局の長生である。長生の地はエネルギーが高まっていく場所であるため、寅が巳を生じすぎる弊害が生まれる。寅は漏らされる側
こうした背景から、命式に寅巳があれば定説では争奪と関係するとされる。
<亥申の六害>
亥は春の三合局、亥卯未の長生にあたり、申は冬の三合局、申子辰の長生にあたる。解釈としては寅巳の六害と同じで、申が亥を生じすぎる弊害が生まれる。申は漏らされる側。
こうした背景から命式に亥申があれば、定説では自分の評判や公的地位、才能や出世を競い合い害し合うとされる。
<卯辰の六害>
卯は春の方局の中で一番つよい十二支だ。辰は春の方局の中で一番よわい十二支だ。つよい卯が、よわい辰を木剋土で剋す間柄である。
こうした背景から、命式に卯辰があれば、定説では人を大切にせず、トラブルがあるとされる。
<戌酉の六害>
戌は酉を土生金で生じるが、戌の蔵干は戊丁辛、酉の蔵干は辛で、丁が辛と焼玉となる。
こうした背景から命式に戌酉があれば、定説では戌の蔵干丁が辛を焼くことで、嫉妬によって害を成すとされる。
このように六害とは、生じながら剋すだとか、お互いの強弱関係に問題がある十二支同士の組み合わせだ。アクセルとブレーキを一緒に踏むような、極端なエネルギーが生じやすい。そのため、六害が命式で不利に働くと良くない。一方で有利に働けば普通以上の才能を持ち合わせることがある。例えば、将棋の羽生さんの命式は六害がよい働きをして、ご本人の才能となっている。
■大運や流年と六害
もし、命式の中には六害の組み合わせとなる十二支の組み合わせがなくて、大運で六害の相方となる十二支が巡ればどうなるか?(例:命式に子があって、大運や流年で未が巡る)これは一概にいえない。六害の象意から、よくない運になる可能性はある。だがそれ以上に巡る運気が命式にとってよいものだったら、不順はありながらも概ね吉運となる。
また、命式のなかで悪い五行が、六害に遭遇すれば、それは良い運になってしまう。私の場合、流年で六害の相方が巡った直近一年は本当に苦労が多かった。ただし、過去大運が悪くない時期に、流年で六害の相方が巡っても、そう悪い年ではなかった。
また、六害が空亡で、大運、流年で巡った場合も基本的な考え方は一緒だ。命式の中で良い働きをする十二支と六害になれば、よくない運。逆に命式の中で悪い働きをする十二支と六害になればよい運になる。
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■終わりに
六害は偏りがつよい十二支同士の関係だが、良いことに繋がる場合もある。