四柱推命に登場する用語には細々と意味が書かれている。例えば十二運に沐浴(もくよく)というのがある。人間の思春期、風呂に入る、淫ら、享受、潤うなど色々と意味がある。さらにそこから連想されるのは、不安定、子供っぽさ、ロマンなど。こうした一つ一つの用語に意味を当てはめて考えていくと、よく分からないことになる。今回は沐浴について書いてみたい。
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■沐浴
タロット占いに興味を持っていた私は、以前本を読んで意味をたくさん覚えたことがある。ただ、どうも、本質は「そうじゃない感」があった。実際に、実験で鑑定で独学タロットを使用したら案の定撃沈である。そうじゃない感は、本能の嗅覚みたいなもので、占いの学習では重要なセンサーだ。寺山修司さんの、書を捨てて街にでようという感覚だ。
四柱推命に限らずどの占いも、意味や知識よりも、占いの世界観を覚えることが重要なんだろう。
さて、主に性格判断などで沐浴を使う場合は、日柱を見てから考察するはずである。日柱は、命式のご本人様と関係する柱だからだ。で、日柱が沐浴だから、子供っぽい部分がある、と性格を判断すれば当たることもあるし外れることもある。日柱に十二運を当てはめて、性格判断をするやり方を否定するわけじゃないが、リスクがあるよという話。実際に周囲の人や、有名人の命式に沐浴を当てはめると、的中率は半分半分というところだ。半分の的中率なら、使わないほうがいいよなというのが私の考えだ。
例えば日柱の性格判断で絶、帝王などは比較的、情報が合致しやすい。日支とは日主の足場であって、足場に名前がついたのが十二運だと思ってほしい。足場には強い足場、弱い足場があって、絶は一番弱い足場だ。帝王は一番強い足場だ。四柱推命は陰陽五行が元にできているから、命式を見る際はどの五行が強くて、どの五行が弱いかを考察していく。
そのため、十二運という日主の足場についても、強い足場か、弱い足場かというエネルギーの強弱の問題として考えるのが基本だ。そのため、日支が一番強い足場である帝王に坐せば、性格に強さがあると考えることができる。(※命式配合によっては日柱が帝王でも性格が弱いことがある。)そのうえで、十二運が持つ意味を持ち出すほうが合理的だ。
沐浴には「思春期」という意味がある。実際に命式を見て、この意味を十二分に推察するのはほとんど不可能だ。例えば、日主甲にとって日支が子であれば沐浴だ。その場合は、まず子という十二支の立場を命式全体から考える必要がある。十二支として見た場合、柱として見た場合、通変星として見た場合を考察しておいて、最後に十二運として沐浴の意味をを考えるほうがいいだろう。
だが、最終的に思春期?………不安定さを持った人なんだろうか?と想像や憶測が止まらない。
因みに以下はボーカリストの命式で、日柱が沐浴になる。
年月日時
辛甲甲◯
亥午子◯
沐
浴
月支と日支は冲の関係だ。月支の午は年支の亥と暗合しているが、冲は成立する。冲は衝突などを指す。日支は自分の内面世界、そして冲の衝突と、沐浴の意味である不安定を採用すれば、性格が「せっかち」と考察することは可能だ。このように、十二運は扱いが難しい。
以下は俳優さんの命式で、日柱が沐浴だ。
年月日時
庚甲甲◯
申申子◯
沐
浴
日支の子は月支の申との関係から、子は沐浴が持つ不安定の意味は採用し辛い。あくまで組み合わせありきだ。申は七殺だから、子は沐浴の意味を採用すれば享受となり、権威を受け取る象となる。だが、沐浴の意味が必要かといえば、そうでもない。無理に象を探しにいく必要もないため、沐浴を使って考察できる範囲は極めて低い。
こうしたやり方は強引で、命式を読み違える元にもなる。そのため私は一部の十二運を除いてほとんど採用しない。基本をおさえて、基本通りに命式を読むようにしていくことが大切だ。また、沐浴が持つ意味を拾いすぎれば、やはり、命式を読むことに採用するのが難しい。四柱推命の用語の意味は、シンプルに覚えるくらいでちょうどいい。思い込みを持たなくてすむからだ。
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■終わりに
私は月柱が沐浴だけど、お風呂が特に好きではありません。子供っぽくはあると思います。