
世の中の極悪人を見聞きするけど、北九州監禁事件の松永太ほどの人物は稀だ。2002年、海外のシリアルキラーも仰天するような日本史上前代未聞の凶悪事件が発覚する。詳細な描写は避けたいが、尼崎事件と性質が似た事件で、手口も通じるものがある。被害者は洗脳されたある一家6名、および一名。(立件されていないもの以外にも被害者はいらっしゃる。)あえて尼崎を例えに出したのは、松永の残虐性や病的な気質を直接描写するのは気が引けるためである。事件の書籍は刊行されており、豊田正義さん著書「消された一家」に記載されている。だが、見れば数日陰鬱な気持ちになるかもしれない。四柱推命の題材として重要であるため、きょうは松永太の命式について書いてみたい。
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■松永太の命式
私は松永太の犯行を知り、あまりのショッキングな内容に、私なりに書籍などで人物像を追った。人間はあまりに一方的な理不尽に出会えば、そこにはきっと何かしらの答えがあるはずだと、納得を得たい気持ちに狩られるからだ。幼少期の環境は?人物の異常性を促進した経緯は?だが、世の中には問答無用で残酷な人物がいる。こちらの心境などお構いなしで、誰かを傷つけ、奪える類の人間が存在する。この事件にも薄々匂いを感じながら、納得を求めずにはいられなかった。そこに、納得できる「何か」がなければ、あまりに被害者の方々が報われない。
だが、松永太の足跡を追えば、絶望は深まるばかりであった。「消された一家」の中で犯人の松永太の人物像が書かれている。布団屋に生まれ、甘やかされて育つ。学生時代から頭がよく弁が立つ。などなど、しかし、事件の残虐性から、それだけでは到底納得ができなかった。つよい憤りが生まれただけだ。その後に、実際に刑務所で松永太と対面した、小野一光さんのネット記事を読ませていただいた。そこからも到底事件に納得がいく、人物の形成は垣間見えなかった。
私には覚えがある。人格の破綻した人物には共通する特徴をもつ。以下、私の実話だが、あなたには以下の文章に登場するおかしな点が分かるだろうか。18歳の時、幼少期の知り合いだった男が自宅を訪ねてくる。突然のこと故何か怪しいものを感じつつ、はじめは、昔話で盛りあがったが、話の最中彼は「竈も大人になったね、でも、俺のまえではあまり身構えないでほしい」といった。私は「ん?」とセンサーが働く。当時は、脳裏にひっかかりつつ無視したこの文脈だが、十数年離れた後、合って間もないなか、過去の関係を糧に、関係を急進させようとする強引さが働く。親しさを武器にして。
結果彼は危険人物であったのだが、注意深く洞察すれば人格破綻者は、この感じを隠せていない。なぜなら、超短期な人間関係しか構築できず、寄生する宿を次々変えてきた過去がある。問題を起こして逃走中だったり、身を匿う場所が必要だったりするのだ。その背景から相手に急接近する時にはすでに宿なしで、瞬間的に距離を縮めて目標達成をしなければならないからだ。(大体の場合金銭か自らの欲求に伴うものが欲しい。)松永太に刑務所であった小野一光さんは、面会を重ねるうちに彼に取り込まれそうな恐怖を語っている。はじめは小野さん、と呼び、次第に親しさを演出するため、一光さんと名前呼びに変わる。彼らは、搾取できる者を選ぶ嗅覚が異常に優れている。
では松永太の命式を見てみよう。
(時柱が違えば、人生は全く違うものになるから、読まれた方が仮に似た命式であっても意識しないでほしい。)
年月日時
辛壬辛◯
丑辰卯◯
壬辰、辛卯、庚寅、己丑、戊子、丁亥、丙戌、乙酉
春生まれの日主辛。年柱にも比肩辛(松永や仲間)が並び、月柱の壬を生じている。
壬は辰を据えて、辰の蔵干には食神の癸がある。食神は株式などと関係すし、財星を生じる存在だ。つまり辰には、お金やそれに変わるものが入っている。
壬は傷官で、自由を求める性質だが壬辰がつよく、洩れがつよく、自己を律するタイプではく、好きなことをやる人物だ。
問題は日支の卯が辰と害して、正しいものを否定する流れがある。世の中と歩調を合わせるでなく、京楽的な面が垣間見える命式だ。
丑は日主辛(松永)の関係者で、一緒に壬というお金やお金と関係する材料を生み出している。松永は、金蔓となった人々を利用して多額の借金をさせている。経営当時はかなりの儲けもあったようだが、年柱の辛(仲間)が利益のための犠牲となったのは明白。
年柱の辛(仲間)のほうが、ご本人よりも稼ぐ能力があるために、その力を借りなければならない。事件の結果を知っているがために丑と辰の関係が不気味である。
月柱の傷官(壬)の働きから、外交性があり会話力があると判断できる。辰卯の六害では、会話の変化球などもできただろうと予測した。ただし、借金関係、株式などとも縁が生まれやすい配合だ。
命式の問題は傷官がつよく、正統的な星の持ち味を潰してしまっており、モラルの面に問題が見られる。もし、命式に正官の軸があれば自己を律する力と関係することから、そうした星の補助が必要な命式だ。
胎元が癸未だから、セールス関係にはいいだろう。良くも悪くも人に接触し、動かす能力が備わっている。
己丑という大運になれば、日主辛が傷官(壬)を生じる力が増すことで、歯止めがかからない状態になったのだろう。戊子の大運で事件発覚、逮捕となる。現在は丙戌という大運のなかで過ごしているが、小野一光さんが面会した頃は、悔恨や後悔といったものは微塵もなく、自身の無実を主張していたそうだ。
私は実家が仏教徒で、輪廻転生を信じている。しかし、すべてがカルマによって動いているのなら、何故、誰にとっても不幸としかならない、因子が誕生するのか。
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■終わりに
事件を知り、その後何年もに渡り、この事件の結末だけは見定めねばならない気がしている。